世の為人の為に尽くさしめ給え

″日本でも同様に、豪商の多かった近江商人の伝統的な言い伝えに、「売り手良し、買い手良し、世間良し」の「三方良し」がありました。これは当事者の売り手と買い手だけでなく、その取り引きが地域社会全体の幸福につながるものでなければならないという教えです。自分が遊ぶためではなく、社会のために倹約して働きましょうという、倫理観に基づいた商人道徳でした。
特に、豪商と呼ばれる人たちは、現在の会社の社長のように、多くの使用人を使っていました。社長といってもすべてが自分の持ち物ではなく、社長という役職を一時的に務めているだけといった具合で、その使命は利益を上げて社会に還元することでした。
暴利を貪らぬよう、消費者にとっても手頃な値段にし、会社が200年、300年と末長く愛されることを考えていたと言われます。つまり、自分にとって良いだけではなく、社会にとって良いことが求められていた結果として、会社自体の評判が良くなり生き残る、という循環があったのです。近江商人には仏教徒が多かったため、その商人道徳は仏教的な教えに基づいていたとも言われています。”


ブッダにならう 苦しまない練習」小池龍之介


世のため人の為に尽くしなさいという精神は神道も同じだなぁ。業の話も然り慈愛の話も然りいろいろな分野、垣根を越えて調べてみたら心理は全てひとつなのかもしれない。と、最近思うのです。